われわれの社会というものは、人間お互いが飼い合いしていると言ってもいい。人間がみな集まって、お互いに飼い合いしている。私はみなさんに飼われている。みなさんは私に飼われている。飼い合いしているわけです。したがって、みなさんは私をよく認識しなきゃいかん。私はみなさんを認識しなきゃいかん。結局、人間が人間自身を把握しなきゃいかん。そして初めて、「こうしたらいいな」ということがわかるわけです。

松下政経塾 塾長講話録』(1981)