非常にむずかしいことだけれど、知識の奴隷になったらいかんわけです。知識の主人にならなくてはいけない。知識の主人になって、知識を縦横無尽に使いこなす。ところが、いまは知識が自分自身だと、そういうふうに考えてしまっている。その点、私は知識がないから、そんなふうにならないわけです。楽な話です。みなさんは知識がいっぱい詰まっているから、頭が重いでしょう。

松下政経塾 塾長講話録』(1981)