命は原則として大切にしなくてはなりません。けれども、その上に立って、仕事に命をかける、いつ何どきでもおれは死んでもいいぞというような心意気に立つ。そうしてこそ、人を動かし、事をなし遂げる偉大な力が生まれ、結果として命というものは失わず、ますます生命力が発揮されてくるものだと思います。この境地を皆さんはどう考えるか。その境地をつかんだ人は、非常に立派な働きをすると思います。

『松下幸之助発言集11』(1964)