PHP運動の活動資金を獲得するため、初期のPHP研究所はさまざまな書籍を刊行していました。この活動は、名義上「PHP研究所」によるものではなく、「PHP出版社」で行われています。今日のPHP研究所には、断片的な資料しか残っておらず、書籍の題名などから推測すると、PHP友の会会員の要望や、終戦後のベビーブームを踏まえ、子供向けの書籍を多く発行していたようです。

 

PHP』第21号(昭和24〔1949〕年1月1日発行)48頁に掲載された広告より

『PHP』広告

 

 昭和23(1948)年6月29日「米国民間検閲局出版物検閲部」に提出した「単行本事後検閲願」によると、『大魔境の秘宝』は初版2万部で、翌昭和24(1949)年1月に増刷されました。業績が不振だったようには見えませんが、昭和24(1949)年11月1日に「PHP出版社」は解散しており、その理由について特に記録は残っていません。