Q48:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

大正14(1925)年の春、幸之助は東京の取引先である工場の新製品を見て気に入り、それを大阪で販売することを引き受けました。その製品とは何でしょうか?

 (1)鉱石検波器

 (2)真空管

 (3)半導体

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解答&解説コラム

 (2)が正解です。

 東京出張所を訪れた幸之助は、初めて真空管を手に取りました。それは仕入れ先のある工場が製作したもので、最近東京で売れ始めているのを見本として持ってきたとのこと。出張所の責任者から大阪での販売をすすめられ、幸之助は引き受けることにしたのです。


 大阪での売れ行きは好調で、松下電器は5、6カ月のあいだに大きな利益を得ました。しかし、このころになると各地で真空管の新製品が出て、値も次第に下がってきていました。こうした状況を見て、まだ十分売れているにもかかわらず、幸之助は真空管の販売中止を決めます。「松下の仕事は本来、配線器具の製造販売だ。思いつきで扱った真空管で、これ以上欲張ってはいけない」と考えたからでした。数カ月後、真空管の値段が急落した際、この幸之助の決断によってすでに手を引いていた松下電器は、結果的に損害を免れることができたのでした。