Q49:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

幸之助は、昭和31(1956)年3月に松下電器本社の敷地の一角に「大観堂」という建物を建立していますが、この「大観堂」は何のために建てられたのでしょうか?

(1)画家・横山大観の絵を展示するため

(2)大局観に立った経営を心がける瞑想の場として

(3)真言宗の僧侶・加藤大観の遺徳を偲ぶため

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解答&解説コラム

 (3)が正解です。

 幸之助と加藤大観師の出会いは、大正12(1923)年に販売契約を結んだ山本商店の顧問を加藤師が務めていたことがきっかけでした。真言宗醍醐派の僧侶だった加藤師はその後、自ら申し出て、松下電器の顧問になります。幸之助の健康や松下電器の発展を願い、亡くなるまで毎日朝夕に2時間の勤行を行いました。

 

 幸之助のさまざまな相談に乗ることもあり、加藤師が亡くなると、幸之助はその遺徳を偲んで、本社の一隅に「大観堂」を建立しました。幸之助は「思い悩んだり困難な問題にぶつかったりするたびに、先生は適切な助言をしてくれ、日常のさりげない話の中にも生きた学問があった」と述懐しています。