Q51:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

昭和4(1929)年末、未曽有の大不況のなか、松下電器も売上げが激減して窮地に陥ります。そこで幸之助が打ち出した対策として間違っているのはどれでしょうか?

(1)工場を半日勤務として生産量を半減した

(2)週休二日制にした

(3)従業員に給料を全額支給した

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解答&解説コラム

 (2)が間違っています。

 昭和4(1929)年、昭和恐慌の影響を受けて経済界は混乱し、企業の倒産や工場閉鎖、従業員の解雇が全国に広がりました。松下電器も製品の売上げが半分以下に落ち込み、12月末には倉庫に入りきらないほどストック品がたまります。そんななか、当時、病気で静養中だった幸之助のもとを2人の幹部が訪れ、従業員を半減するしかないと訴えました。

 

 これを聞いた幸之助は「一人も解雇してはならない。工場は半日勤務として生産を半減させるが、給与は従業員に全額支給する。その代わり店員は休日返上でストック品の販売に全力をあげよ」と指示します。幸之助の決断が告げられると、従業員たちは歓喜し、全店員一丸となって販売に努力しました。その結果、2カ月後には、倉庫に山積みになっていた商品をすべて売りつくし、工場は再びフル生産に入るという活況を呈したのです。