Q52:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

昭和初期のこと、幸之助は銀行に200万円の融資を申し込みました。当時としては相当な額で、対応した支店長は、一度本店の重役に面会してほしいと言います。これに対し、幸之助はどのような態度をとったでしょうか?

(1)支店長の言うとおり重役に会った

(2)希望額を150万円に変更して再度交渉した

(3)重役に会いに行くことを断った

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解答&解説コラム

 (3)が正解です。

 さらに事業を拡張したいと考えた幸之助は、銀行に200万円の借入れを申し込みました。それまでの取引関係から、幸之助に対して十分に信用をもっていた支店長は、「承知しました。ただこれまでにない大きな金額ですので、一度、本店の重役に会って、松下さんの口から趣旨をお話しいただきたい」と提案します。当時、町工場の経営者だった幸之助が大手銀行の重役に会えるというのは、非常に名誉なことでした。

 

 しかし幸之助は、こう告げて辞退したのです。「私は重役さんに会っても、あなたに申しあげたのと同じことしか話せません。重役さんにはあなたから話してください。それでダメだというのであれば、この計画は見送ります」。幸之助には、仕事は社会のために、社会の求めに応じて行うものであり、銀行が貸してくれないのなら、今、その仕事をする必要はないという信念があったからでした。数日後、融資の許可が下りたとの連絡を受けた幸之助は、礼を述べるため、初めて重役のところに出向いたのでした。