Q74:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

昭和29(1954)年、幸之助が銀行にあいさつに訪れた際、ある重役から「今後、松下電器をどこまで拡張させるつもりですか」と質問されました。幸之助は何と答えたでしょうか?

(1)「私が決めることではないので、分からない」

(2)「今後ますます拡張させていきたい」

(3)「今の規模が適切なので、維持していくつもりだ」

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解答&解説コラム

 (1)が正解です。幸之助は銀行の重役の質問に対し、こう答えました。

 「それは私にも分かりません。松下電器を大きくするか小さくするかということは、社長の自分が決めるものでもなければ、松下電器が決めるものでもなく、社会が決定してくれるものだと思います。松下電器が立派な製品をつくり、消費者に喜んでいただけたならば、もっとつくれという要望が集まって、それに応じて拡張しなければなりません。逆にわれわれがいかに現状を維持したいと考えても、悪い製品をつくっていたのではだんだん売れなくなり、現状維持どころか縮小せざるをえなくなるでしょう。だから、松下電器の今後の発展はすべて社会が決定してくれるのです」