Q75:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

昭和54(1979)年6月、幸之助は神奈川県茅ヶ崎市に松下政経塾を設立しました。設立前に、ある新聞記者のインタビューをきっかけに、塾の規則を変更しています。その規則とは何でしょうか?

(1)塾生の定員制を廃止した

(2)女性の入塾を認めた

(3)自宅からの通塾を許可した

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解答&解説コラム

 (2)が正解です。

 松下政経塾は、昭和54(1979)年6月、21世紀の日本を担うリーダーの育成を目的として設立されました。設立を前に、幸之助はある女性記者からインタビューを受けています。その際、次のようなやり取りがありました。
 

 「松下政経塾は女性を募集しない方針のようですが、これからは女性の時代です。21世紀の日本には女性政治家も必要ではないでしょうか」

 「そうでんな。大昔、日本にも持統天皇をはじめ立派な女性の為政者がおりましたな。それに中小企業の経営で、奥さんがしっかりしているところは皆成功してますな。あなたの言うとおりですわ」


 幸之助は、その場で女性も募集することにしたのです。第1期生の入塾試験では合格者が出なかったものの30人の女性から応募があり、翌年第2期生で2人の女性塾生が誕生しました。女性記者はのちに、「私が松下さんを言い負かしたのではなく、むしろこちらが背負い投げをくわされたのです。まさかこんなにもサラリと規則をひっくり返すとは思いませんでした」と述べています。