松下幸之助用語

運命に従う

 

用語解説

 松下幸之助は成功を収めた要因の一つについて、電機事業という発展性のある仕事に携わったことをあげているが、「もし二、三十年早く生まれていたら電気器具の製造をやるといったことは考えていなかったに違いない。一見、自分で考え、自分で決意したように感じられるが、何かそこに運命的な力が働いているように思えてならない」と語っている。
 人間は自分の意志で道を求めることができる。しかし、反面、自分の意志以外の大きな力の作用によって動かされている。その力に逆らえば困難が生じるだけだ。むしろ、運命的な大きな力を重視し、ある種の諦観をもち、それに素直に従っていくところに安心して人生を歩む一つの方法があると説いている。