松下幸之助用語

社員に夢を語らない社長は失格

 

用語解説

 社長時代の松下幸之助は、何年後に会社の規模はこのくらいに、売上はここまで伸ばしたいと、事あるごとに将来の会社の姿を社員全員のまえに公表していた。それはたとえば、昭和三十一年の五カ年計画であり、三十五年に発表した「五年後に週五日制導入」の計画である。
 当時は、たとえ社内の話に限っても、何かの拍子に計画が漏れることを恐れて、社員への公表を差し控える企業が少なくなかった。しかし、それを承知で発表したのは、「社員にしっかりした目標なり夢を持たせたかったからであり、また、それが経営者として正しい道だと信じたからだ」という。
 松下幸之助は“夢を語る経営者”だった。その夢が社員に働きがいを与えたのはいうまでもない。