長年の体験と人生に対する深い洞察をもとに切々と訴える短編随筆集。自らの運命を切りひらき、日々新たに生きぬかんとする人々に贈る。

まえがき

 本書は、PHP研究所の機関誌「PHP」の裏表紙に、これまで連載してきた短文の中から、一二一篇を選んでまとめたものである。
 その一篇一篇は、時にふれ折りにふれての感懐をそのまま綴ったものであるが、この中には、身も心もゆたかな繁栄の社会を実現したいと願う私なりの思いを多少ともこめたつもりである。一国民、一庶民としての私のこの思いが、何らかのご参考になるならば望外の幸せである。
  

昭和四十三年五月
松下幸之助

  • 【PHP版】目次

 
まえがき
運命を切りひらくために
10真剣勝負22
素直に生きる12若葉の峠24
志を立てよう14是非善悪以前26
手さぐりの人生16病を味わう28
自然とともに18生と死30
さまざま20
日々を新鮮な心で迎えるために
日々是新34日に三転す44
視野を広く36なぜ46
心の鏡38花のように48
人事をつくして40本領を生かす50
雨が降れば42くふうする生活52
ともによりよく生きるために
縁あって56責任を知る68
あいさつをかわす58真剣に叱られる70
サービスする心60人間だけが72
長所と短所62世間知らず74
辛抱する心64心を通わす76
生かし合う66
みずから決断を下すときに
断を下す80風が吹けば84
命を下す82判断と実行と86
眼前の小利88世の宝96
善かれと思って90自問自答98
止めを刺す92根気よく100
カンを働かす94思い悩む102
困難にぶつかったときに
心配またよし106世間というもの114
時を待つ心108仕事というものは116
岐路にたちつつ110忍耐の徳118
困っても困らない112
自信を失ったときに
転んでも122絶対の確信128
失敗か成功か124心を定めて130
紙一重126懸命な思い132
窮屈はいけない134一人の知恵138
ものの道理136一陽来復140
仕事をより向上させるために
自分の仕事144つきまとう154
働き方のくふう146引きつける156
しかも早く148力をつくして158
けじめが大事150おろそかにしない160
旗を見る152プロの自覚162
事業をよりよく伸ばすために
見方を変える166ファンがある172
商売の尊さ168手を合わす174
大事なこと170何でもないこと176
敵に教えられる178ノレンわけ184
あぶない話180同じ金でも186
熱意をもって182追求する188
自主独立の信念をもつために
自得する192身にしみる208
虫のいいこと194正常心210
恵まれている196わが身につながる212
こわさを知る198教えなければ214
あぐらをかく200学ぶ心216
乱を忘れず202もっとも平凡な218
後生大事204敬う心220
己を知る206身につまされる222
生きがいある人生のために
真実を知る226知恵の幅236
芋を洗う228まねる238
年の瀬230心を高める240
自分の非232体験の上に242
勤勉の徳234わけ入れば244
国の道をひらくために
国の道248ピンとくる260
覚悟はよいか250政治という仕事262
信念のもとに252求めずして264
わが事の思いで254大衆への奉仕266
平和と闘争256ダムの心得268
談笑のうちに258日本よい国270