6/9発売『Voice』2017年7月号に、同誌1983年5月号に掲載された松下幸之助の執筆記事「教育の荒廃をどう立て直すか」が再録されました。「人間としての優等生」とは何か。日本人がめざすべき教育の使命について語った内容です。ご購入の際は、ぜひご一読ください。

 

内容

一部紹介

“万差億別”の教育を

大切なのは、天知の定めるところに従って、それぞれの子どもがもっているそれぞれの個性、適性というものに応じて、それらが生かされるような教育をしていくことだと思うのです。
わが国には昔から“千差万別”という言葉があります。人というものは心も体も皆違う、人それぞれに千差万別、それが当たり前の姿です。まして今日では、社会は非常に進展してきていますし、知識も増え、人の心も複雑になっています。ですから、今日の世の中の実際の姿というものは、千差万別どころか“万差億別”といった状態になっているといえましょう。したがって、教育もそうした社会の実態に応じて、万差億別の教育をすることが望ましく、そうしてこそ、個々の青少年も生き、社会全体としてもより健全な姿が生まれてくるのではないでしょうか。
 

“人間としての優等生”をめざそう

私は、そのように、すべての親が、子どもが学校で優等生になることを期待できるわけではないということは、親として決して残念がるべきことでも嘆くべきことでもないと思います。というのは、子どもにとって大事で尊いのは、学校で優等生になることもさることがなら、いわゆる“人間としての優等生”になることだと考えているからです。
この、人間としての優等生とは、具体的にどういう姿かといえば、まずすべての人に等しく与えられている共通の人間性というものに基づいて、人間らしく生きるための基本的な知識なり良識を、しっかり身に付けていること、そしてその上で、自分がもっている独自の素質、才能というものを、素直に十分に生かしているという姿です。
 

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2017.6.20