松下幸之助経営塾」は、経営者を対象にした松下幸之助の経営哲学を学ぶための公開セミナーです。今回は、同塾を受講された株式会社LEIS・松永力社長へのインタビューをご紹介します。

※社名、肩書等は取材当時のものです。

経営セミナー 松下幸之助経営塾

松下幸之助経営塾 受講事例

株式会社LEISは保険が適用される訪問医療マッサージを核にした、在宅医療サービス業を行なう全国FC本部。

1)孤立しがちな高齢者に元気と健康、地域との絆を提供する

2)社会的弱者が多いあん摩、マッサージ、指圧師に社会で活躍する場と誇りを提供する

3)患者や高齢者の健康状態を改善し、介護レベルを下げることで国が負担する医療費を削減する

4)仕事の少ない地域に雇用を創出する

 

という“四方良し”のビジネスモデルの推進によって社会に大きく貢献しようとされています。

 

Q:2013年春から「松下幸之助経営塾」を受講されました。きっかけは何でしたか?

A:

当社のある神戸市の六甲アイランドでロータリークラブに入っておられ、私がかねてより信頼していた経営者の方から、「僕は勉強が大嫌いやったけれど、『松下幸之助経営塾』は受けてほんとによかったわ。値段だけの価値があったわ。松永さんも受けてみたら」と薦められたのがきっかけです。正直に申し上げますと、はじめお話を聞いたときはお断りしようと思いました。松下幸之助の本やCDは巷にいくらでもあるし、真剣に勉強しようと思えばそれらを活用すればいい。資料も何もない段階だったこともあるのですが、松下幸之助の何を学ぶの? という印象でした。

 

私は小さいころ大阪の摂津に住んでいまして、松下電器(現パナソニック)の本社や工場の入口から見えるたくさんの銅像を眺めながら通学していました。当時は何も考えず、ただぼんやりと松下電器って大きいなあ、幸之助さんてすごい人なんやろなあ、家の親父とは違うなあと思うだけでした。(笑)

 

しかし、ご紹介いただいた方の「ほんとによかったわ」という言葉が妙にこころに残って、小さいころの幸之助さんの印象を思い出し、「まあええか。自分も社長なんだし、一代であそこまでの大企業をつくり上げられた幸之助さんなら何かしら学ぶことはあるだろう」と、今から思えば他の受講者と比べて申し訳ないような動機でした。

 

Q:受講にあたってこれを学びたいというような具体的なねらいはありましたか?

A:
きっかけは漠然としたものでしたが(笑)、受講すると決めたときには、ひとつはっきりしたテーマがありました。当社はフランチャイズ方式(以下FC)で全国展開しているのですが、これは自社の支店を増やして全国展開するのとは全く別物です。FCというのは全国のフランチャイジーが大きな権限を持って独自経営をしながらさまざまに有機的につながり、フランチャイザーである本部がそれをバックアップするという方式で、小さなユニットで全国にたくさんの現場をつくりたいという私の事業イメージに最もフィットしていると思ったのです。ただ、いろんなFCを見てみるとうまくいっていないところもある。そう考えたとき、松下電器の全国津々浦々のご家庭に明るさを届けた松下電器のあのショップ店網を幸之助さんはどのようにして築かれたのか、私自身、学ぶ必要があると気づいたのです。

 

Q:実際に受講されていかがでしたか?

A:
本題から少し外れてしまいますが、スタッフの皆さんが受講者のために最高の環境を提供しようとさまざまに気を遣っておられる姿勢に、「ああ、幸之助さんの精神はここに生きていたんだな」とまず感動しました。以前、PHPの拠点がおかれ、幸之助さんが思索を深められたという真々庵(現在はパナソニックの迎賓館。非公開)も見学させていただき、見るだけでこころが洗われるような思いも体験しました。このような目にもこころにも清々しさを与える日本人のおもてなしは一朝一夕にできるものではない、わが社もいい伝統をつくって継承していかねばならないなあと痛感しました。
 
講義自体の感想ですが、私も同じく「受けてよかったな」と感じました。(笑)メリットとしては、人間・松下幸之助というか、幸之助さんにたいへんいい距離で近づくことができたということです。大恐慌、戦争、不況と何度も何度も頭を打ちながら、解体の危機や、ゼロどころか大きなマイナスから立ち上がり、都度、先頭に立って陣頭指揮を執られた幸之助さんの体験を目の当たりにして、経営者は何を考え、何をしなければならないかを否応なく考えさせられました。
 
全国展開の課題でいえば、商品が流れるシステムだけでなく、それを支える理念や志がもっとも大切だと感じました。理念や志でつながるというのは口で言うのは簡単ですが、実際に理念や志で牽引するのはものすごく大変なことだと思います。私の場合、結局は人間一人ひとりを大切にして立派な経営者に育てていくというイメージがいちばんしっくりきました。
 
『松下幸之助経営塾』を受講してよく考えるようになったことは、もし松下幸之助さんが生きていてわが社にふらっと来られ、「1年間わしが経営見たろか」と言われたら、たった1年でわが社はとんでもない大発展を遂げるだろうということです。それが仮に稲盛和夫さんであっても、孫正義さんであっても、それぞれのスタイルでいずれも大発展を遂げるに違いない。現実にはないことですが、ふとそう考えたときに経営者の責務の大きさに震えるような気持ちになることがあります。
 
 

Q:いま受講しようか迷っておられる方にどんなアドバイスをされますか?

A:
経営者はお一人おひとり事情が違いますので一概には申し上げられないのですが、この研修は世にある多くの研修と違って、教えてもらう研修ではないということです。なぜ仕事をしているのか、自分の使命は何かといった経営の根源的課題を深いところで悟るというか、自分と向き合う研修であるような気がします。
 
幸之助さんがある講演会で、ダム経営をしたいのだけれどなかなかできない、どうすればできるようになるのかという経営者の質問を受け、「まず、ダム経営をしようと思うことでんな」と答えられたとき、聴衆はみな失笑した。それじゃあ答えになっていないと。しかしその場に居合わせた若き日の稲盛さんただ一人だけが、「そうか!」と雷に打たれたような感激に包まれたという有名な話があります。これは稲盛さんが幸之助さんの思いを理解できる境地にあったということでしょう。ただ教えてもらうだけではだめで、自ら求める心がなければ得られない。私もまだまだその境地にあるとはいえませんが、自ら求める姿勢次第でとてつもなく大きなものが得られるし、経営者というのはそもそもそういう責務を負っているということを学んだように思います。
 

株式会社 LEIS

本 社: 〒658-0032 兵庫県神戸市東灘区向洋町中 6-9 神戸ファッションマート10F
TEL078-843-7230 FAX078-846-0152
設  立:平成15年11月
認  定:経済産業省 近畿経済産業局 第17回新連携事業 
財団法人 神戸市産業振興財団「KOBEドリームキャッチプロジェクト」
 
 

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