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著作から見た松下幸之助の世界

人間を考える

人間を考える 人間を考える 人間を考える
昭和47年
PHP研究所 刊
四六判(182mm×130mm)
232ページ
昭和50年
PHP研究所 刊
B6判(182mm×120mm)
268ページ
平成7年
PHP研究所 刊
文庫判
312ページ

 

PHP研究所を創設以来考え続けてきた人間の本質についてまとめたもの。昭和47年版には、「新しい人間観の提唱」と、有識者による「人間を考える」を読んでの感想を収録。昭和50年版では、有識者による感想を割愛、「新しい人間観の提唱」に「真の人間道を求めて」を追加し、「人間を考える・第一巻」と改題した。文庫本には、「新しい人間観の提唱」「真の人間道を求めて」に加え、昭和47年版所収の有識者による感想を再録。

 

PHP Interface PHP研究所

【昭和47年版】目次

まえがき
「新しい人間観の提唱」
序 章なぜ「新しい人間観」を提唱するのか15
第一章宇宙というもの35
第二章宇宙と人間との関係45
第三章人間の天命とそれを生かす道63
第四章長久なる人間の使命83
補章一人間の共同生活の意義91
補章二衆知による日本の歩み121
あとがき
「人間を考える」を読んで145

まえがき

かえりみますと、私は満九歳の時からいわば実業一筋の歩みを続けてまいりました。その歩みのなかで、私は私なりにこれまでの人生を通じて、折にふれ事にあたって、人間というものについて、また社会というものについて考えてまいりました。とくに終戦直後の、あの混乱した悲惨な世の姿をまのあたりにみて、やむにやまれぬ思いから、昭和二十一年十一月三日にPHP研究所を創設、爾来二十五年、断続的ながら今日まで、さまざまなご高見を拝聴し、あるいは「PHP」誌を通じて多くの諸先生や読者の方がたのご意見もいただいてまいりました。そうしたなかから、知らず識らずのうちに一つのまとまったかたちになったものがこの「人間を考える——新しい人間観の提唱」です。そのような、いわば衆知の所産としての、人間についての一つの考え方をのべることも、それはそれなりの意義もあり、世の方がたがそのお立場お立場において、ここにのべるような事柄をご一考いただくならば、そこに何ほどかはお役に立つ点もあろうかと考え、ためらいつつも思案を重ねた末、あえてご高覧に供するしだいです。
 むろん、ひとつの人間観をのべるということは、いわば百巻の書を尽くしても、論じきれないような大きな問題でもあります。それゆえ本書では、具体的な問題は今後に残し、新しい人間観のなかでも、もっとも基本的で、重要なことと思われる一端のみを述べております。そこに意を尽くし得ていない、あるいは推断にすぎるとのお叱りもあろうかと思いますが、どうぞそのようなことをお含みおきいただき、お目通しの上、是非いずれにしても、何らかのご高評を賜わりますならば望外の幸せです。

  

昭和四十七年八月
京都 東山 真々庵にて
松下幸之助

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