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著作から見た松下幸之助の世界

道は明日に

道は明日に    
昭和49年
毎日新聞社 刊
四六判(190mm×130mm)
256ページ
   

 

『サンデー毎日』誌に連載されたものをまとめたもの。
半生の思い出を語る。

 

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目次

涙と汗と……小僧の時代
松の木の下の生家 9
小僧の時代 16
配線工の日々 26
義弟 井植歳男を呼ぶ 36
特許8件、実用新案92件 50
人材が雲のように 60
感動の命知元年 68
貿易に乗出す 82
苦節を越えて……社長の時代
門真への移転 91
住友さんの門 101
木製攻撃機まで手がけた挙国体制 109
三洋電機の誕生 120
『PHP』誌の創刊 128
“滞納王”といわれて 137
念願の自転車製造 148
売上げ4倍増の5年計画 161
天翔ける……真々庵時代
創業者会長というもの 175
僕は主婦を解放した 184
天馬空を往く 194
感無量の創業50周年 206
会長からも退いて 214
適正利潤は10パーセント 223
孫の入社にも試験はする 229
真々庵で思うことども 241

まえがき

 昨年の夏、私が松下電器の会長を辞任して相談役に就任したのを機に、毎日新聞社から、これまでの歩みをふり返って思い出を語ってほしいとの要請を受けた。思い出といっても別に新しく語るものはないが、請われるままに記憶をたどりつつ話した。それを毎日新聞社でまとめ、サンデー毎日に“道は明日に”というタイトルで連載したのが本書である。
 いまの日本、あるいは世界としても、社会的経済的な混迷に陥っているが、それは単に政治経済上の問題というより、何か精神的というか、思想的というか、そういった面の一大転換期を迎えているように思われる。従って、これまでとちがった新しい第三の思想が創造されなければならない転機がきているような気がする。
 そういった意味もあって、思い出を語っているにすぎないけれども、あわせて最近私が私なりに考えている新しい人間観、つまり人間とはどういうものか、人間の本質とはどういうものか、ということについての一端にもふれておいた。お読みいただけるならば、それなりに興味を持っていただけるかもわからないと思う。
 いずれにしろ、ご一読いただき、なんらかの参考になればまことに幸せである。

  

昭和四十九年十月
松下幸之助

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