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著作から見た松下幸之助の世界

経営心得帖

経営心得帖 経営心得帖  
昭和49年
PHP研究所 刊
A5判(210mm×148mm)
112ページ
平成13年
PHP研究所 刊
文庫判
212ページ

 

『商売心得帖』の続編ともいうべきもので、経営の心得、人事の心得、不景気や困難に対処する心得を説く書。

 

PHP Interface PHP研究所

目次

まえがき
第一章 経営の心得いろいろ5
興味を持つ/電話で仕事をする/手形は私製紙幣/経営力ということ/得心のいく仕事/苦情を生かす/とりやめた技術導入/不景気には時を待つ/のれん/仕入れのコツ/信用を増す売り方/自己資金の範囲で/歓喜をもって仕事する/サービスできる範囲で商売を/自主独立の経営/無形の契約/地震の損害が生んだ改善/きびしいお得意先/儲けを認めていただく/不良をなくす/物心ともの貢献を/宣伝の意義/相手の時間も大切に/商売にも説得力/予算にとらわれない/命をかける真剣さ
第二章 人事の心得いろいろ61
不景気と人材育成/仕事の知識や経験だけでは/部下が偉くみえる/適材適所/困難を直視する/謙虚な確信/外套をぬいだ社長さん/叱ってもらえる幸せ/命これにしたがう/臨床家になれ/魂を入れた教育/奉公に出た専務/上位者に訴える/なにごとも結構/あるホテルの話/分に応じた人を/適正な給与/人事の不満は/プロの自覚/経営者というもの/課長を辞退する/やりぬく決意/新入社員でも

まえがき

 昨年、これまで折々に商売について書いたり語ったりした話を一冊にまとめ、「商売心得帖」として発刊したところ、思いのほかに多くの方がたにお読みいただきました。また、たくさんのご意見、ご感想を頂戴し、あわせて、多少異なった観点からの続編をというご要望もいただいたのです。そこで、昨今の情勢なども考え、不景気とか困難な時における経営心得といったことを中心に私なりの考えをまとめたものが本書です。
 いうまでもなく、商売・経営というものはまことに複雑というか奥深いものがあり、だからそれだけむずかしいものであると思います。けれどもまた、見方によってはきわめて容易であるとも考えられるのではないでしょうか。というのは、お互いの商売というものは、社会に必要だから、いいかえれば世間の人びとが求めておられるから、はじめて成立つわけです。ですから、商売の基本は、そうした世間の声、人びとの求めに素直にこたえ、誠心誠意努力していくことにつきるといってもいいと思うのです。私自身は、五十五年にわたる松下電器の経営にあたって、つねにそういう心境で歩んできました。
 そのような基本の考えに立って、本書をお読みいただき、そこに今日の時点においてなんらかのご参考になるものがあれば、まことに幸いです。

  

昭和四十九年七月一日
松下幸之助

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