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著作から見た松下幸之助の世界

わが経営を語る

わが経営を語る わが経営を語る  
昭和52年
PHP研究所 刊
四六判(190mm×130mm)
240ページ
平成2年
PHP研究所 刊
文庫判
240ページ

 

昭和21年から30年代にかけて社長として経営を進める中で、社内で話した言葉でつづる生きた経営指針の書。

 

PHP Interface PHP研究所

【文庫版】目次

まえがき(旧版)
経営の名人になろう
信賞必罰14迷いはあっても15
苦労なくしては 17経営の名人になろう17
あぐらをかいては20熱意と呼びかけ21
首脳者は要求者たれ24責任の自覚25
会社意識をもつことが大切  2780%の指導力を29
指導者の二つの型31ワンマン経営では32
他に求めれば34部下の偉さを知る36
熱意と成功
順応同化の心がまえを40真剣味あふれる職場42
価値判断の能力を44人間のたくましさ46
投資をしているか48プラスの仕事を50
限度を考えて52光が出てくる 54
磁石のように56自得する用意 57
熱意がハシゴを58仕事の苦労は 60
適任かどうかの検討を62社長に直接言う63
自分で人事をする66千里の差 68
成功の大道 70
困難に直面して
切り抜ける覚悟74融通無碍の信念を76
常に光明を見出しつつ78開業の謙虚さを79
生成発展の経営理念 81社会正義に沿って83
三分の一の値段で85さらに志を固めて87
原因は100%自分に89失敗は絶無になる91
少しの油断もできない93不満は希望につながる 95
訴えるべきは訴える 97心を謙虚にして98
生み出す喜び
生産者の感激102みずからの研究考案で103
徹底した品質管理を104宣伝と良品106
もっと自由奔放に107技術の向上に最善を109
投げてはいけない111技術向上の基本112
たえず新しい物の見方を114競争から発展が115
コンクールの必要性117脚光を浴びなくても120
小型モーターの発展性 122
商売の道
利益はあがる126競争のあり方128
頭も看板131商品価値をつけるには132
目頭を熱くした話134むずかしいお得意先136
仕入れに成功する138正々堂々140
他を誹謗しない141社長の仕事を代行して143
喜ばれる仕事145販売店さんを顧問に147
お叱りをよき縁として149
経営のコツ
深い信頼感を154信用を高める経営155
経済性の追求159労働組合の健全な発展を161
諸行無常162適正な給与とは164
大きくなればなるほど166何らかの工夫169
仕事は社会の要望171五カ年計画の結果は173
経営のコツ 175実力が評価される176
実力と信用178人を中心とした経営を180
なぜ物をつくるのか
使命を楽しく182社会発展の原則184
社会が決める186延び延びになった記念式典187
心の契約190見えざる契約193
儲けることは194なぜ物をつくるのか196
創業記念日の制定197使命感に奮いたって201
松下電器の使命203方針の正しさ205
単に記念するだけでなく207
人生の本質
人間として 世界人として212繁栄は必ず実現される214
政治への関心を高めよう216日本人としての自覚と誇りを218
自主独立の精神を220不変のものを222
何事も結構224事業に失敗したら……225
人生の本質226ムダなものはない228
世の中の姿230度胸をきめて232
心は自由自在234
あとがき(旧版)

まえがき(旧版)

 お互いが、それぞれの仕事なり人生というものを、過ちなく進めてゆくために大切なことはいろいろあると思いますが、なかでも“反省”ということは、最も大切なことの一つといえるのではないでしょうか。つまり、これまでのみずからの歩みなり態度、姿というものを静かにふり返ってみて、そこに改めるべき点、正すべきところがあればそれを正しく認識する。そして改めるべきは改め、正すべきは勇気をふるって正してゆく、ということです。
 お互いが素直な心でそういった反省をくり返し、つねによりよき姿を求めつつ歩んでゆくならば、それぞれの働きの上にも、また人生の上にも、おのずとそれなりの成果が生まれ、進歩向上の姿ももたらされやすいのではないかと思います。
 私は、松下電器を創業し、以来長きにわたりその経営に携わってきましたが、その経営の実践においてたえずそういう反省を私なりに心がけてまいりました。そして欠点を見出したならばそれを改め、短所があれば直す、といった姿をくり返してきたように思うのです。
 本書は、時期的には戦争直後、昭和二十一年からの松下電器の再建期、さらには復興発展期ともいうべき昭和三十年代の後半にかけて、私が社長として松下電器の経営を進めてゆく上において、社内で話してきたことを中心に抜き出し、まとめたものです。
 これら一つひとつの話は、松下電器の社内誌『松風』に最近連載されたものですが、これらはそれぞれある程度長い話の一部分をそのまま抜き出したものであるため、ものによっては結末がハッキリ出ていないというか、十分に意を尽くし得ていないものもあります。
 こうしたものが、果たしてどれだけみなさんのお役に立つかどうかわかりませんが、企業の経営はもとより、各自の仕事の経営、さらには個々の人生の経営をよりよく進めてゆくという点からみるならば、こうしたものもまた、何らかのご参考にしていただける面もあるのではないかと思います。そうした意味から、本書をまとめてみたわけですが、ご一読賜わらばまことに幸甚と存じます。

  

昭和五十二年三月
松下幸之助

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