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わが経営を語る
【文庫版】目次
まえがき(旧版) | ||||
一 | 経営の名人になろう | |||
信賞必罰 | 14 | 迷いはあっても | 15 | |
苦労なくしては | 17 | 経営の名人になろう | 17 | |
あぐらをかいては | 20 | 熱意と呼びかけ | 21 | |
首脳者は要求者たれ | 24 | 責任の自覚 | 25 | |
会社意識をもつことが大切 | 27 | 80%の指導力を | 29 | |
指導者の二つの型 | 31 | ワンマン経営では | 32 | |
他に求めれば | 34 | 部下の偉さを知る | 36 | |
二 | 熱意と成功 | |||
順応同化の心がまえを | 40 | 真剣味あふれる職場 | 42 | |
価値判断の能力を | 44 | 人間のたくましさ | 46 | |
投資をしているか | 48 | プラスの仕事を | 50 | |
限度を考えて | 52 | 光が出てくる | 54 | |
磁石のように | 56 | 自得する用意 | 57 | |
熱意がハシゴを | 58 | 仕事の苦労は | 60 | |
適任かどうかの検討を | 62 | 社長に直接言う | 63 | |
自分で人事をする | 66 | 千里の差 | 68 | |
成功の大道 | 70 | |||
三 | 困難に直面して | |||
切り抜ける覚悟 | 74 | 融通無碍の信念を | 76 | |
常に光明を見出しつつ | 78 | 開業の謙虚さを | 79 | |
生成発展の経営理念 | 81 | 社会正義に沿って | 83 | |
三分の一の値段で | 85 | さらに志を固めて | 87 | |
原因は100%自分に | 89 | 失敗は絶無になる | 91 | |
少しの油断もできない | 93 | 不満は希望につながる | 95 | |
訴えるべきは訴える | 97 | 心を謙虚にして | 98 | |
四 | 生み出す喜び | |||
生産者の感激 | 102 | みずからの研究考案で | 103 | |
徹底した品質管理を | 104 | 宣伝と良品 | 106 | |
もっと自由奔放に | 107 | 技術の向上に最善を | 109 | |
投げてはいけない | 111 | 技術向上の基本 | 112 | |
たえず新しい物の見方を | 114 | 競争から発展が | 115 | |
コンクールの必要性 | 117 | 脚光を浴びなくても | 120 | |
小型モーターの発展性 | 122 | |||
五 | 商売の道 | |||
利益はあがる | 126 | 競争のあり方 | 128 | |
頭も看板 | 131 | 商品価値をつけるには | 132 | |
目頭を熱くした話 | 134 | むずかしいお得意先 | 136 | |
仕入れに成功する | 138 | 正々堂々 | 140 | |
他を誹謗しない | 141 | 社長の仕事を代行して | 143 | |
喜ばれる仕事 | 145 | 販売店さんを顧問に | 147 | |
お叱りをよき縁として | 149 | |||
六 | 経営のコツ | |||
深い信頼感を | 154 | 信用を高める経営 | 155 | |
経済性の追求 | 159 | 労働組合の健全な発展を | 161 | |
諸行無常 | 162 | 適正な給与とは | 164 | |
大きくなればなるほど | 166 | 何らかの工夫 | 169 | |
仕事は社会の要望 | 171 | 五カ年計画の結果は | 173 | |
経営のコツ | 175 | 実力が評価される | 176 | |
実力と信用 | 178 | 人を中心とした経営を | 180 | |
七 | なぜ物をつくるのか | |||
使命を楽しく | 182 | 社会発展の原則 | 184 | |
社会が決める | 186 | 延び延びになった記念式典 | 187 | |
心の契約 | 190 | 見えざる契約 | 193 | |
儲けることは | 194 | なぜ物をつくるのか | 196 | |
創業記念日の制定 | 197 | 使命感に奮いたって | 201 | |
松下電器の使命 | 203 | 方針の正しさ | 205 | |
単に記念するだけでなく | 207 | |||
八 | 人生の本質 | |||
人間として 世界人として | 212 | 繁栄は必ず実現される | 214 | |
政治への関心を高めよう | 216 | 日本人としての自覚と誇りを | 218 | |
自主独立の精神を | 220 | 不変のものを | 222 | |
何事も結構 | 224 | 事業に失敗したら…… | 225 | |
人生の本質 | 226 | ムダなものはない | 228 | |
世の中の姿 | 230 | 度胸をきめて | 232 | |
心は自由自在 | 234 | |||
あとがき(旧版) |
まえがき(旧版)
お互いが、それぞれの仕事なり人生というものを、過ちなく進めてゆくために大切なことはいろいろあると思いますが、なかでも“反省”ということは、最も大切なことの一つといえるのではないでしょうか。つまり、これまでのみずからの歩みなり態度、姿というものを静かにふり返ってみて、そこに改めるべき点、正すべきところがあればそれを正しく認識する。そして改めるべきは改め、正すべきは勇気をふるって正してゆく、ということです。
お互いが素直な心でそういった反省をくり返し、つねによりよき姿を求めつつ歩んでゆくならば、それぞれの働きの上にも、また人生の上にも、おのずとそれなりの成果が生まれ、進歩向上の姿ももたらされやすいのではないかと思います。
私は、松下電器を創業し、以来長きにわたりその経営に携わってきましたが、その経営の実践においてたえずそういう反省を私なりに心がけてまいりました。そして欠点を見出したならばそれを改め、短所があれば直す、といった姿をくり返してきたように思うのです。
本書は、時期的には戦争直後、昭和二十一年からの松下電器の再建期、さらには復興発展期ともいうべき昭和三十年代の後半にかけて、私が社長として松下電器の経営を進めてゆく上において、社内で話してきたことを中心に抜き出し、まとめたものです。
これら一つひとつの話は、松下電器の社内誌『松風』に最近連載されたものですが、これらはそれぞれある程度長い話の一部分をそのまま抜き出したものであるため、ものによっては結末がハッキリ出ていないというか、十分に意を尽くし得ていないものもあります。
こうしたものが、果たしてどれだけみなさんのお役に立つかどうかわかりませんが、企業の経営はもとより、各自の仕事の経営、さらには個々の人生の経営をよりよく進めてゆくという点からみるならば、こうしたものもまた、何らかのご参考にしていただける面もあるのではないかと思います。そうした意味から、本書をまとめてみたわけですが、ご一読賜わらばまことに幸甚と存じます。
昭和五十二年三月
松下幸之助