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著作から見た松下幸之助の世界

人を活かす経営

人を活かす経営 人を活かす経営 人を活かす経営
昭和54年
PHP研究所 刊
四六判(190mm×130mm)
232ページ
平成元年
PHP研究所 刊
文庫判
224ページ
平成18年
PHP研究所 刊
新装版(148mm×105mm)
272ページ

 

人間の本質や人情の機微など、 人間をさまざまな面から取り上げ、具体的な事例を交えて人の活かし方を語った書。

 

PHP Interface PHP研究所

【文庫版】目次

まえがき(旧版)
序章 人を育て活かすために
第一章 信頼の経営
信頼することの価値
—製法の秘密を従業員に—
22
信用の道、商売の道
—初めて東京へ売りに行って—
26
熱意が人を動かす
—小僧時代に自転車を販売—
31
仕事をまかす
—若者がひらいた出張所—
37
利害にとらわれない態度
—久保田権四郎さんの話—
42
相談調が大事
—人を活かす一つのコツ—
47
世間というものは
—世の中は親切な人ばかり—
51
第二章 説得の経営
説得なき説得
—将軍家光と阿部豊後守—
56
物に説得力あり
—幼き日の二つの思い出—
61
確信あればこそ
—一万個の電池がタダに—
66
たった一度の訪問でも
—区会議員に立候補して—
72
私が説得された話
—住友銀行と取り引き開始—
77
「信用」を追求する
—取り引き開始前の二万円—
82
百万言を費やすよりも
—一休和尚と地獄極楽—
88
満場一致の賛成を
—誠意をもってあたる—
92
第三章 人間の経営
心はどのようにも動く
—大激論のあとのふしぎな変化—
98
臨機応変に対処する
—謙信と毘沙門天—
103
心を一つにして
—初荷行事で盛り上げる—
109
経営をしているか
—それができるのが人間—
113
その気にさせる
—明治時代の税務署のやり方—
117
人間の尊さを知る
—経営は人間が行なうもの—
121
決めるのはだれか
—松下政経塾と不確実性—
125
部下の提案を活かす
—とにかく一度やらせてみる—
129
六〇%の可能性で
—適任者の選び方—
134
第四章 自省の経営  
大将はいかにあるべきか
—とことん競争してやるぞと—
140
自分を戒めるために
—遵奉すべき七精神—
144
指導者のあり方
—人を育てる上で大切なこと—
148
自分自身への説得
—「運が強い」と信じさせる—
151
心の転換をはかる
—考え方によって熱も下がる—
156
自分の魂を売る
—同じ品を安く売る他の店—
160
自分の運命に従う
—気に病まずに対処する—
164
くり返し訴える
—お互いの心がまえを固めつつ—
168
悩んでも悩まない
—悩みがあるのが人の常—
173
名医になってほしい
—早期治療の大切さを説く—
178
第五章 信念の経営 
自分の考えをもつ
—実らなかった会議—
184
正しいことは通るか
—男と男の約束を守ったら—
190
日ごろの誠意があればこそ
—止められそうになった取り引き—
195
あきらめたらおしまい
—十五万円の無条件貸付—
200
成功の秘訣
—うまくいかなかった同業者—
205
見方を変える
—自分の仕事の意義を考えて—
210
決意が人を動かす
—ケネディ大統領の態度—
214
自信はどこから
—何が正しいかを基盤に—
217

まえがき(旧版)

 企業経営には、いろいろな事柄が含まれている。製造の問題もあれば販売の問題もある。人事の問題もあれば渉外の問題もある。また、人生、社会的な事柄も含まれている。
 しかしながら、そのいずれにしても、結局は人の問題になってくる。経営といい、商売といっても、その内容、あり方を左右するものは、人である。この世の中のすべていっさいは人をぬきにしては考えられない。どのような問題であろうと、人とのかかわりがあるからこそ問題になる。これは当たり前のことである。事業またしかり。経営、商売もしかりである。
 だからこそ、われわれは、つねに人間というものを問題にし、その本質を追究していくことが大切になってくる。人間の本質をきわめ、それを実際の各面に活かしていくところに、本当にのぞましい姿が生まれてくるのである。
 本書は、そういう人間についての問題を、いろいろな面からとり上げ、具体的な事例にふれて考えてみたものである。こうしたものが、果たしてみなさんのお役に立つかどうかわからない。が、今日のようなきびしい環境においては、とくに“人を活かす”ことが大切になってくるので、私なりに、このような形でまとめてみたしだいである。
 ご高覧賜わらばまことに幸せである。

  

昭和五十四年八月
松下幸之助

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