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著作から見た松下幸之助の世界

経済談義

経済談義    
昭和51年
PHP研究所 刊
四六判(190mm×130mm)
240ページ
   

 

読売新聞に“経済談義”と題して、昭和48年6月から51年5月まで連載されたものをまとめた書。

 

PHP Interface PHP研究所

目次

まえがき
金儲けと奉仕12
二十二年前の決心15
商売のコツ19
改革に成功した理由22
不景気をなくす25
独占資本から大衆資本へ28
株式の大衆化を31
なぜ国鉄は34
私の国鉄改革案37
労働は神聖なり40
大石内蔵助は43
無形の契約46
派閥解消49
商道徳について52
企業の社会的責任55
続・企業の社会的責任58
利益と税金61
文部大臣の任期64
借金の秘訣67
重役に会わなかった話70
企業の役割73
ダム経営のすすめ76
諸悪の根源は…79
過疎地の工場82
二つの政府85
初任給と経営理念88
日本と中国91
先憂後楽94
九十二歳の経営者97
社会的責任100
神に祈る103
オランダの水利大臣106
国家意識109
三十二歳の社長さん112
グァム島へ社員旅行115
フグの毒でも118
坂本竜馬と経営121
発想の転換124
感心する127
経営者と整形手術130
真剣勝負133
経営が好きか136
病院は満員139
新入社員142
続・新入社員145
英国鉄鋼公社148
経営がない151
生産と消費154
渡航資格試験157
衆知が集まる160
心のつながり163
やりなおし166
平和の価値169
わがこととして172
お得意先の電気係175
適正経営178
指導者と年齢181
会社のよさ184
自分に弁解する187
情けのかけすぎ190
小僧の改革193
心の体験196
立場の交換199
アメリカの大学202
まず与えよう205
紙一枚の差208
はじめに言葉あり211
見習店員の残業214
社員の金を借りる217
英国の国有産業で220
強い“円”223
“風”一本でやれ226
やればできる229
最初の給料232
日に新た235

まえがき

 昭和四十八年の六月から、読売新聞に“経済談義”と題して、その時どきの所懐を書きつづってきた。当初は一年という予定であったものが、はからずも好評を得て、本年の五月まで丸三年間も続ける結果となった。その後、これを一冊にまとめてほしいとの要望もあって、改めて読み返し、その中から七十五編を選んで収録したものが本書である。
 この経済談義が掲載された三年間というものは、日本経済が高度成長から、石油ショックによって一転し、インフレとそれに続く深刻な不況に陥るという激動の時期であった。さらに、そうした経済面のみならず、政治の面においてもいろいろ問題が多く、その政治の混迷がまた経済にも波及して混乱の度を一段と増すという、日本にとってかつてない非常時というか危機の時であったといえよう。
 本書の一編一編はそうした危機の中で、私なりに考え感じたことをのべたものであり、経済談義のテーマのように企業経営なり、経済運営の問題を中心としつつも、それに重大なかかわりのある政治というか国家経営の面にも話が及んでいる。
 その時どきに書きしるしたものであるから、今日からみていささか時宜にかなわないといった点もいろいろあろうかと思うが、この三年間の日本のあゆみをかえりみ、今後新たな光明の道を生み出していく上で、多少ともご参考になれば幸いである。

  

昭和五十一年十一月
松下幸之助

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