松下幸之助は多数のことばを残しています。しかしながら、「そうできれば理想だけど......」「抽象的すぎて自分の仕事にどう落としこめばいいのかわからない」「日々の仕事に追われて考える余裕がない」といった声が、PHP研究所社内からも聞かれるのが実情です。
そこで当社経営理念研究本部では、理念浸透の一環として、「PHPとして大切にする価値観」15項目に当てはまる松下幸之助のことばを、実際にありそうな(中には本当にあった)出来事に置き換えてマンガにしてみました。 ストーリーもマンガも研究部員の手づくりですので拙い部分も多々ありますが、なにとぞご容赦ください。
松下幸之助の考え方をどのように実践すればいいのかわからない方へ、このマンガが多少なりともお役に立てれば幸いです。
松下幸之助のことば
「仕事は公事。企業は天下のもの」
関連する松下幸之助エピソード
店の改革
幸之助が五代自転車商会に移ってから四年あまりたったときのことである。初めは三人だった店員も、店がしだいに繁盛して、そのころには七、八人に増えていた。そのなかの一人が、店の品物を黙ってよそに売り、その代金を使っていたことが発覚した。
非常に才気にたけ、よく間にあって重宝がられていた店員である。主人は、初めてのことであるし、本人も詫びている、年も若いし惜しいということで、よく訓戒してもう一ぺん使うことにした。
ところが、それを聞いた幸之助は承知しなかった。主人のところに行って、「お暇を頂戴したい」と申し出た。突然のことで主人も驚いて、「どうしてだ」ときく。
「ご主人はあの人をもう一ぺん使うことに決められましたが、私はそれに承服できません。ああいう悪いことをした人といっしょに働くのは潔しとしませんから、お暇を頂戴いたします」
これには主人も困ったが、何もしていない幸之助をやめさせるわけにもいかないということで、結局、その店員をやめさせることになった。ところが、それからあとの店の空気がガラッと変わってよくなった。
気分的に明朗になり、引き締まった。意図してやったことではなかったが、幸之助が自分の信ずるところを訴えたことが、店の改革につながったのである。
『エピソードで読む松下幸之助』
PHP総合研究所[編]
より
PHPとして大切にする価値観
公私のけじめ
登場人物
ピー助
平和主義で気弱な性格
ハピ子
天真爛漫でやさしい心の持ち主
プロ太郎
要領がいいが、プライドが高め
クマ部長
関西出身。仕事に対して熱いキャラ
※次回以降の「トピック 幸之助・ザ・ワールド」の更新日は第4水曜日に変更になります。