自然・宇宙
繁栄の基
限りない繁栄と平和と幸福とを、真理は、われわれ人間に与えています。
人間が貧困や不安に悩むのは、人知にとらわれて、真理をゆがめているからであります。
お互いに素直な心になって、真理に順応することに努め、身も心も豊かな住みよい社会をつくらねばなりません。
生成発展
生成発展とは、日に新たにということであります。古きものが滅び、新しきものが生まれるということであります。
これは自然の理法であって、生あるものが死にいたるのも、生成発展の姿であります。これは万物流転の原則であり、進化の道程であります。
お互いに日に新たでなければなりません。絶えざる創意と工夫とによって、これを生成発展の道に生かしていくとき、そこに限りない繁栄、平和、幸福が生まれてまいります。
真理
真理とは、万物を存在せしめ、その存在の意義を全うさせる根本の理法であります。その働きは宇宙の法則となり、この法則にもとづいて宇宙の秩序が保たれます。
真理の働きは、無限に広く無限に深いものであります。その一面をもって真理の全面を推すことは、真理の認識をゆがめる結果になります。
人間は真理に順応し、これを活用することによって、その繁栄を生み出すことができます。お互いに素直な心で真理を探究し、それに従って生活を営まなければなりません。
大義の意義
人間の繁栄は、すべて宇宙の秩序にもとづいて与えられるものであります。この秩序に従って生きぬくことが大義であります。
秩序にはすべて中心があります。国家には主権者が、家庭には家長が、それぞれの秩序の中心であります。そしてこれらいっさいの中心を貫く枢軸として、宇宙の秩序が存在します。
およそ秩序に従うとは、それぞれの中心に従うことであって、その中心たる者は大義をわきまえ、真理に順応する行動がなければなりません。ここに繁栄の道があります。
調和の本質
万物は宇宙の秩序に従って調和を保っています。人間もまた、この秩序に順応することによって、調和の生活を生み出すことができます。
調和は決して妥協やなれあいではありません。真理に順応することであります。その天分に生きることであります。
調和は、これを単に知るだけでなく、お互いに訓練によって生活に生かさなければなりません。そこに繁栄、平和、幸福が約束されるのであります。
対立と調和
万物はすべて対立しつつ調和しています。これは自然の理法であり、万物はこの理法にもとづいて生成発展しています。
社会の発展もまた対立と調和から生まれます。これは自然の理法にもとづく社会の理法であり、これがなければ社会は沈滞し、その進歩は止まります。
思想においても学問においても、また人と人との関係においても、すべて対立しつつ調和するとき、いっさいのものの平等と独立自主が保たれます。それが民主主義の理念であります。
自然の恵み
すべてのものは、大きな自然の恵みによって生かされています。それはあたかも、子が母の慈愛のうちにはぐくまれているのと同じことであります。
子が母の愛を慕うところに喜びと成長があるように、われわれ人間が自然の恵みを感謝の心で生かしていくところに、繁栄、平和、幸福の礎があります。
この恵みの根源を求めて、これに応ずる心のあり方を究めるのが宗教であり、また人としての務めであります。宗教をもつ人ももたぬ人もこの理をわきまえて、正しい生活を打ち立てねばなりません。