治にいて乱を忘れずということがある。太平のときでも、乱に備えて物心ともの準備を怠ってはならないということで、指導者としてきわめて大切な心がまえである。
とはいえ、人間というものは、とかく周囲の情勢に流されやすい。治にあれば治におぼれ、乱に遭えば乱に巻き込まれて自分を見失ってしまいがちである。そういうことなしに、常に信念を持って主体的に生きるためには、やはり心静かに、われ何をなすべきかを考え、そのなすべきことをひたすらなしていくことが大切である。
指導者の要諦とは、見方によっては、この“なすべきことをなす”ということに尽きるとも言えよう。