「融通無礙」という言葉がある。これは別にむずかしい理屈でも何でもない。いたって平凡なことだと思う。もし道を歩いていて、その前に大きな石が落ちていて向うへ行けない場合どうするか。石によじ登ってでもまっすぐ行くというのも一つの方法である。しかしそこに無理が生じるのであれば、石をよけてまわり道をしてゆく。それが融通無礙だと思う。
もちろんときにはまわり道のない場合もある。そういうときにはまた別の方法を考える。素直に、自分の感情にとらわれないで、この融通無礙ということをたえず心がけていくところに、世に処していく一つの道があると思うのである。