何事も合理的でスピーディなものが尊ばれる昨今、それがスピーディであればあるほど、一方で静思の時というか、ゆったりしたものが欲しくなる、これが人情というか、人間の本能的ともいえる一つの姿でしょう。だから、これを抑えることは、人間の身体や生活をとんでもなくゆがんだものにしかねないと思います。
ですから、夜やすむ前、床の上に座って静かに一日を反省する。やり方はどうあれ、そういう時を持って、一日のケジメをきちんとつけてこそはじめて、そこに安らぎが生まれ、明日ヘの新たな意欲が湧いてくるのではないか。世の中が騒々しくなるほど、そういう静思の時が必要になると思うのです。
