たとえば水泳の先生が、三年間講義をしたとします。それでその講義を受けた人がすぐ泳げるかといいますと、必ずしも泳げないと思うのです。
また、塩の辛さというものでも、塩をなめさせることをしないで、「塩は辛いぞ」と言ってもわからないでしょう。塩の辛さはなめてみてはじめて、「ああこれが塩の辛さやな」とわかるわけです。
処世のコツとでも申しますか、お互いの人生において大切な事柄を会得するということも、事を行なって、そのやったことを仔細に考え、検討してゆくところから、はじめて可能になるのではないかと私は思います。