恩を知るということは、人の心を豊かにする無形の富だと思います。
猫に小判ということがありますが、せっかくの小判も猫にとっては全く価値なきものにすぎません。恩を知ることはいわばその逆で、鉄をもらってもそれを金ほどに感じる。つまり鉄を金にかえるほどのものだと思うのです。ですから今度は金にふさわしいものを返そうと考える。みんながそう考えれば、世の中は物心ともに非常に豊かなものになっていくでしょう。
もっとも、この恩とか恩返しということは決して要求されたり、強制されるものでなく、自由な姿でお互いの間に理解され、浸透することが望ましいと思います。