昔の日本の言葉に「頭がまわらなければ尾もまわらない」というのがあるが、私は、経営者が百人なら百人の人を緊張させて、大いに成果を上げようと思えば、その人の活動が、はたの人が見て、“気の毒な”と思うくらいにならないといけないと思う。“うちのおやじ、もう一生懸命にやっとる。気の毒や”という感じが起これば、全部が一致団結して働くだろう。けれどもそうでない限りは、経営者の活動の程度に応じてみな働くだろうと思う。
人間というのはそんなものである。決してぼろいことはない。自分はタバコをくわえて遊んでいながら「働け」と言っても、それは働かない。私はそういうふうに考えてやってきた。