「松下幸之助経営塾」は、経営者を対象にした松下幸之助の経営哲学を学ぶための公開セミナーです。2019年1月に開催された同塾の研修風景の一端をご紹介します。
【塾生通信 日に新た】松下幸之助経営塾 第17期 第3回
人間観が人材育成の根底に
一月十八日、十九日、「人を活かす~人心の妙と人材育成」というテーマで、第十七期の第三回が開催されました。
初日は塾生による「私の人材育成方針と実践」の課題発表からスタート。心理学を用いたコミュニケーション強化や社風改善などの取り組みから、年長の部下への指示の与え方に悩んでいるといった課題まで、様々な発表がなされました。これに対して松村アドバイザーから、人手不足の時代だからこそ、育成の重要性がますます高まっているという指摘がありました。
続いて、弊社経営理念研究本部・本部次長の渡邊祐介による「松下幸之助の人の育て方・活かし方」と、弊社松下理念研究部・研究部長の川上恒雄による「人を活かすエピソード」の二つの講義が行なわれました。
二日目の午前は、当塾主幹講師で弊社客員の佐藤悌二郎による講義「松下幸之助の人間観」と、それを受けて「経営者が持つべき人間観とは」のテーマで全体討議。松下の経営の根底には、独自の人間観があることを学びました。
午後は、松下電器産業(現パナソニック)元副社長で、アスクル社外取締役の戸田一雄氏による特別講話「自分を磨き、人を活かす」。松下電器産業での長年の事業経験をもとに、①自己研鑽を積む、②全員経営を貫く、③社会的責任の履行――の三点を中心に話をしました。
仕事が思うようにいかず悩んでいた頃、上司である事業部長から「松下はやり直しのきく会社だ」と言われ、失敗を恐れずに実行する力がついたというエピソードなどにも触れつつ、多くの図を駆使しながら明快に説明していく戸田氏の話に、塾生は真剣な様子で耳を傾けていました。
最後に、今回の講義や特別講話に関するグループ討議と発表、そして松村アドバイザーから「自分以上の実力を持つ部下を育てることが大事だ」とのコメントがあり、塾生にとっておおいに学んだ二日間となりました。
◆『衆知』2019.3-4より
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