昭和23(1948)年4月23日朝7時、松下幸之助とPHP研究所所員は、京阪本線門真駅前(※1)に繰り出し、「PHPのことば その一」を記載したビラを配布しました。「PHPのことば その一」は、同年2月23日大阪府立図書館(現・大阪府立中之島図書館)において開催された、第1回PHP定例研究講座で発表されたもので、「かぎりない繁栄と平和と幸福とを、神は―自然と眞理とを通じて、われわれ人間に與(あた)えておられます」という言葉で始まっています(下写真)。『PHP友の会本部日誌』には「PHP運動創(はじ)めて以来、はじめての街頭運動をなす、まことに意義ある日である」と記されています。
「PHPのことば その一」裏面
同年5月13日には、大阪市内の渡辺橋・淀屋橋付近と松下電器本社前で、「PHPのことば その二」が掲載された、約4,000枚のビラが配布されました。第2回以降のビラには、企業の広告が掲載されており、その後も下の表の活動が行われました。
特徴的な活動としては、昭和24(1949)年1月20日に、「選挙ビラ」を阪急梅田、難波、上六(上本町六丁目)の3カ所で配布した記録があります。この時は3日後の衆議院議員選挙を意識して、「PHPのことば その十二 政治の責任」が配られました。
『PHP友の会本部日誌』に記載されたビラの配布活動
1)現在の西三荘駅の東側200メートルほどの場所にあった駅で、松下電器本社の最寄り駅でした。西三荘駅の開業に伴い、昭和50(1975)年3月に廃止されています。
2)当時のPHP研究所は、松下電器本社の敷地内にありました。発足当時は、松下電器の一室を借りていましたが、昭和22(1947)年12月21日、独立した建物に移転しています(『PHP新聞』第9号2、4面)。