PHP研究所が開設されてから1年後の昭和22(1947)年11月4日、松下幸之助は「PHP研究所所長」として最初のラジオ出演をします。NHK大阪中央放送局は、それまで職員が何度もPHP懇談会を開催したり、放送局内にPHP友の会を設けたりしていて(※1)(上写真)、研究所に協力的でした。

 

PHPバッジ

 当日の出演は朝6時45分から15分間で、テーマは「PHPの理念と研究」。まずアナウンサーが「最近、町々に白鳩のマーク(左写真)をつけた方々がよく見受けられます。これはPHP運動に参加された人々のマークです」と紹介しています。

 

 次に幸之助による講話があり、「私は世界人類の目的は、繁栄によって平和と幸福を求めることにあると信ずるものであります」と述べ、PHPの理念について簡単に説明。そして「政治、経済の改善を具体的に行うには人間性を解剖し、はっきりこれをつかまなくてはなりません。人間性を分析してその上に国民性、民族性を生かしていくところに基礎をおかなければなりません」と説きました。

 

 その後も、昭和24(1949)年3月13日、朝9時15分から全国放送された、NHK大阪中央放送局の番組「仏教講座」に、「私の信仰」というテーマで出演しています(※2)。書籍や雑誌の刊行とともに、放送への出演も、PHPの理念を普及する有力な方法でした。

 


1)『PHP新聞』第2号(昭和22〔1947〕年5月15日発行)2面。

2)『PHP新聞』第24号(昭和24〔1949〕年4月15日発行)1面。