松下幸之助用語

相談調が大事

 

用語解説

 松下幸之助は、社長として部下に命令を下すときでも、相談をもちかけるような調子でやってきたという。つまり、たんに「こうしてくれ」というのではなく、「こういうことをしようと思うが、君はどう思うか」あるいは「君、やってくれるか」という具合である。そうすると、部下のほうも「私も賛成です。ぜひやりましょう」とか「ここはこうしたほうがいいのではないですか」というように、意見、判断を加えやすくなり、結果的に自主的に仕事に取り組んでくれることが多かったという。

 人間は自由な意思、自主的な責任において仕事をするときに力を発揮するものだ。その人情の機微を的確につかんだ人材育成法といってもいいだろう。