なぜ政治にこんなに金がかかるのか。政治家の責任か、国民の責任か。今こそ、国民の総意によって国家経営の抜本的改革を図らなければ、インフレはおさまらず、日本は崩れ去るだろう。

 

『崩れゆく日本をどう救うか』

発表媒体

緊急出版書籍(1974年12月発行)

 

あとがき

 以上私なりに、日本が直面している難局とそれを切りぬけるための方策についてのべてきた。考えのいたらぬ点、意を尽くし得ていない点もあろうが、お読みいただいて、どのような感想を持たれただろうか。

 願わくは、心ある人はこの際、日本のため、お互い国民のため、立ちあがってそれぞれのお立場でこの一大難局に取りくんでいただきたいと思う。一人でも多くの人がいま立ち上がることが、この難局から少しでも日本を救っていくことにむすびついてくるだろう。

  ただ、その際に一番大切なのは、本書の中でもくり返しのべてきた、お互い国民の協力一致ということである。お互い一人ひとり、思想にせよ信条にせよ、それぞれに異なっていよう。しかし、いまはそうしたちがいで対立している時ではない。いわゆる“小異を捨てて大同につく”そういう思いをみんなが持ってやっていくべき時であり、ぜひともそうあってほしいと思う。

 浅学菲才をもかえりみず、あえてこのような書を記した目的もそういうところにある。本書がそうしたお互いの協力一致に少しでも役立つことを念願している。

 お読みいただき、この内容に対し賛否いずれなりともご高見、ご感想をお寄せいただければこれにすぎる幸せはない。

 

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崩れゆく日本をどう救うか