今までの人間の発見した真理はまだごく一部です。ですから、真理を活用している面が非常に少なく、したがって、真理の働きが人間の繁栄のために十分生きてきていないのです。私たち人間が、もっと真理を探究し、これを生かす道を知ったならば、人間は無限に繁栄するでしょう。それはまさに楽土であり、天国でしょう。しかし、それはまだなかなかです。まだまだ私どもにはとらわれた考えがありますから、なかなか容易に真理が生きて働いてこないのです。

『松下幸之助発言集37』(1952)