会社というものは、何といたしましても自力経営をやらないといかん、他力本位ではいけない、自力でやらないといかん、それが立派な自主独立の姿であると、こう私は思っているんです。あっちからもつっこまれ、こっちからもつっこまれ、借金によって経営するということは、立派な自主独立の姿と違うと思うのであります。

 松下電器は、「渇しても盗泉の水を飲まず」という精神に立って経営をしてきたと思います。そういう経営を膨脹していくことが即国家の発展につながり、健全な人心を培養する一つの糧ともなると自分は思って、そのとおり経営してきた。

『松下幸之助発言集30』(1964)