どうしても手を引かなくてはならない。手を引いてそして導いていく。ある程度育ったら、今度は手を引かない。今度はぼくが先に行くから、きみついてこいよという状態である。そうすれば、今度後ろをふり返ってもついてきている。そのうちには、もう自分はここにおるから、あんた勝手に歩きなさいと言うたら勝手に歩いていく。これは自主独立のかたちである。その最初の手引きは、道義、道徳であろうとも断固としてやらないといかんと思うんです。

『松下幸之助発言集7』(1966)