「私どもの国日本はダメです。いいものは何一つありません。私ども日本人もまことに頼りない国民です。信用したらいけません」というようなことが、不用意にも口をついて出るというような心境であってはならない。そういうことでは、日本はやはり信頼される国にはならないだろうし、ひいてはそういうことをいっている本人も信頼されないだろう。私は、そういう人には、外国へ行ってほしくないと思う。いや、外国へ行く資格がないとさえ思うのである。

若い君たちに伝えたい』(1975)