「松下幸之助経営塾」は、経営者を対象にした松下幸之助の経営哲学を学ぶための公開セミナーです。2016年1月に開催された同塾の研修風景の一端をご紹介します。
【塾生通信 日に新た】松下幸之助経営塾 第11期 第3回
テーマ:人を活かす~人心の妙と人材育成~
一月十五日、十六日、第十一期第三回が「人を活かす~人心の妙と人材育成~」というテーマで開催されました。
初日は、三つの講義が連続して行われました。まず、弊社専務取締役・佐藤悌二郎による「松下幸之助の人間観」、続いて本誌編集長・渡邊祐介による「松下幸之助の人の育て方・活かし方」、そして松下理念研究部長・川上恒雄による「松下幸之助 人を活かすエピソード」。
佐藤からは、松下の経営観の根底には「人間は偉大にして崇高な存在である」という人間観があったことが紹介され、あわせてその人間が歩むべき道、とるべき態度としての「人間道」と、それを支える「礼の精神」などについての解説がありました。また、渡邊と川上は、松下の人材育成の考え方と実際の事例を紹介。経営者にとって関心の高いテーマだけに、塾生からは質問も数多く出されました。
二日目は課題発表「経営理念確立の背景と実践内容」からスタート。みずから試行錯誤しながら策定した理念について話す人、創業者や先代からヒアリングしてきた人、いまだ模索中の人など、それぞれの立場から思いのこもった発表が行われました。
続いて、前日の講義を受けた全体討議「経営者がもつべき人間観とは」。「人間は万物の王者」という基本的な人間観を中心に、活発な意見交換がなされました。
午後は、ネッツトヨタ南国・取締役相談役の横田英毅氏による特別講話「人が活きる組織づくり~いちばん大切なことを大切にする経営~」。「目標」と「目的」、「満足」と「幸せ」を混同しない経営、トップとして採用の最前線に立った際、「知名度、規模、安定性、待遇」より「働きがい」をアピールポイントに据えたことで自社の理念に理解と共感を持つ人材を採用できたこと――などの話に、塾生一同熱心に耳を傾けました。