「松下幸之助経営塾」は、経営者を対象にした松下幸之助の経営哲学を学ぶための公開セミナーです。2016年7月に開催された同塾の研修風景の一端をご紹介します。
【塾生通信 日に新た】松下幸之助経営塾 第11期 第6回
「5年後の自分」に向けて志を発表
七月八日、九日、第十一期生が最終回を迎えました。
一日目はまず、松下から二十八年間にわたり薫陶を受けた弊社客員・岩井虔による特別講話「松下幸之助に学んだもの」。松下電器(現パナソニック)での経営者の顔とは異なり、PHP研究所ではほとんどビジネスの話をせず、政治や人間観の研究に真剣に取り組んでいたという話をしました。また、直接接した者でしか知りえないエピソードをふんだんに交えて松下の人間的魅力を紹介。特に、松下がなかなか素直な心になれずに悩んでいたという話に、塾生は興味深く耳を傾けていました。
一日目の後半から二日目にかけては、最終回恒例の「私の志」の発表。塾生一人ひとりがパワーポイントを使って発表し、それに対して他の塾生からアドバイスとエールの言葉が送られました。十カ月間学びをともにしてきた同志だけあって、互いに本音をぶつけ合うことができ、それぞれが志を固めることができました。
その後、塾生は「五年後の自分に向けてのメッセージ」をそれぞれ色紙にしたため、決意表明をしました。感極まって涙を流す塾生もおり、感動的な決意表明となりました。
そして、塾長・松下正幸が講話。祖父の幸之助からは経営の仕方を直接教わらなかったが、そのコツに気づかせるよう繰り返し同じ質問を投げかけられたことなどを話す一方、プライベートに関する質問にも丁寧に答え、なごやかな雰囲気のうちに全プログラムが終了しました。
祖父・幸之助との思い出を語った塾長の松下正幸
最後に、塾生一人ひとりが塾長から修了証を受け取り、晴れて卒塾。今後の皆様のご活躍を祈念いたします。
◆『衆知』2016.9-10より