「松下幸之助経営塾」は、経営者を対象にした松下幸之助の経営哲学を学ぶための公開セミナーです。2016年6月に開催された同塾の研修風景の一端をご紹介します。
【塾生通信 日に新た】松下幸之助経営塾 第12期 第3回
人間観について徹底討論
第十二期の第三回が六月十七日、十八日に開催されました。テーマは「人を活かす~人心の妙と人材育成~」。
一日目は、京都・東山に位置する、松下幸之助が思索を深めた松下真々庵(しんしんあん)を見学。美しい庭園を散策しながら、細かいところまで配慮の行き届いた松下のおもてなしについて、支配人から説明がありました。
二日目は課題発表「経営理念確立の背景と実践内容」から開始。みずから理念を策定した塾生、先代にヒアリングをしてきた塾生、これから理念を策定しようという塾生など、それぞれの立場からの発表がありました。
続いて、全体討議「経営者がもつべき人間観とは」。松下の代表的著作『人間を考える』(PHP研究所刊)を参考にしながら、実業人としての人間の見方を討議しました。
午後はスーパーホテル社長の山村孝雄氏による特別講話「私の経営理念とその実践」。みずから考えて行動し顧客に感動を与える「自律型感動人間」の育成が、七割にものぼるリピート客を生んでいると強調しました。質疑応答も活発に行なわれ、特に創業者で会長の山本梁介氏が経営のアイデアを出し、山村氏がそれを具現化するという役割分担が極めてうまくいっているという話に、塾生は高い関心を寄せていました。
最後のグループディスカッションでは、人間観にもとづく人材育成のあり方や山村氏の講話の感想などについて意見交換がなされました。
◆『衆知』2016.9-10より