「松下幸之助経営塾」は、経営者を対象にした松下幸之助の経営哲学を学ぶための公開セミナーです。2019年6月に開催された同塾の研修風景の一端をご紹介します。
【塾生通信 日に新た】松下幸之助経営塾 第18期 第3回
理念の実現に邁進
六月十四日、十五日、第十八期の第三回が、「本質を知る~自然の理法に適った経営」というテーマで開かれました。
一日目は、松下幸之助が思索を深めた松下真々庵を見学。支配人の案内のもと、細かいところまで手入れの行き届いた庭園を散策したり、人間国宝による工芸品などを鑑賞したりしました。塾生の間から「非日常的な体験ができた」という声が数多く聞かれました。
二日目の午前は、塾生の課題発表「わが社の発展要因」からスタート。続いて、弊社松下理念研究部・研究部長の川上恒雄が講義「自然の理法について」を行ないました。
午後はまず、元キリンビール副社長で、100年プランニング代表の田村潤氏による特別講話「キリンビール高知支店の奇跡と松下幸之助の精神」。田村氏は一九九五年秋、業績が当時全国最下位クラスの高知支店に支店長として配属され、翌九六年、四十数年ぶりにシェアが首位から陥落する中で、「当初は何をしてもうまくいかなかった」という体験談から講話は始まりました。
しかしその後、シェア首位を奪回するどころか、全国トップクラスの支店に急成長します。要因は、田村氏が、売上などの業績目標よりも、「高知の人たちのためにおいしいビールをお届けする」という理念を掲げたからでした。これは、「今のビールの味は変えない」「広告宣伝は全国一律」という本社の方針と対立することを意味します。けれども、理念の実現に邁進する支店社員の意志が強く、高知に特化した販売・宣伝施策を展開した結果、飛躍的に売上が伸びたといいます。
まさに理念の実践のお手本のような田村氏の話に、塾生の関心も高く、質問が止まらないほど盛り上がった特別講話となりました。続いてグループ討議、そして元パナソニックエクセルスタッフ社長で当塾アドバイザーの松本潤氏のコメントがあり、充実した二日間となりました。
◆『衆知』2019.9-10より
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