松下幸之助経営塾」は、経営者を対象にした松下幸之助の経営哲学を学ぶための公開セミナーです。2020年1月に開催された同塾の研修風景の一端をご紹介します。

 

【塾生通信 日に新た】松下幸之助経営塾 第19期 第3回

経営の根底に独自の人間観

一月十七日、十八日、「人を活かす~人心の妙と人材育成」というテーマで、第十九期の第三回が開催されました。

 

初日は塾生による「私の人材育成方針と実践」の課題発表からスタート。「社員の責任感を醸成することで業務の質を上げる」「叱責は人物に対してではなく、その人のした物事に対して行なう」「個々人の長所を活かす」「上司が率先垂範する」など、様々な実践的心得が挙げられました。

これに対して松村アドバイザーが、「人口減少時代において、優秀な人材の採用はますます難しくなることが予想され、現存社員をいかに活用していくのかが共通の課題である」とコメントしました。

 

続いて、当塾主幹講師で弊社PHP理念経営研究センター代表の渡邊祐介による「松下幸之助の人の育て方・活かし方」および「人を活かすエピソード」の二つの講義が行なわれました。

 

二日目の午前はまず、同センター首席研究員の川上恒雄が「松下幸之助の人間観」を講義。それを受けて「経営者が持つべき人間観とは」をテーマに全体討議をし、松下の経営の根底には独自の人間観があることを学びました。

 

午後は、松下電器産業元副社長で、パナソニック終身客員の戸田一雄氏による特別講話「人材育成・4つの要項」。経営幹部としての長年の経験をもとに、①意識改革の徹底、②ほめる・叱る・任せる、③適材適所、④トップの育成責任――の四項目を中心に話をしました。特に事業部長の頃、①の意識改革について苦労し、毎日曜日にレポートを書いては月曜日の幹部会で配付して、その内容を全課長に徹底させることで社員の意識に火をつけたという話に、塾生は大きな関心を示しました。

 

最後に、今回の講義や特別講話に関するグループ討議と発表、そして、かつて戸田氏の部下でもあった松村アドバイザーから補足的なコメントがあり、塾生にとっておおいに学んだ二日間となりました。

 

経営セミナー 松下幸之助経営塾

 

◆『衆知』2020.3-4より

衆知2020.3-4