「松下幸之助経営塾」は、経営者を対象にした松下幸之助の経営哲学を学ぶための公開セミナーです。2021年1月に開催された同塾の研修風景の一端をご紹介します。
【塾生通信 日に新た】松下幸之助経営塾 第21期 第3回
経営と商売の基本を徹底
一月十五日、十六日、第二十一期の第三回は、政府による緊急事態宣言が会場のある京都府内にも発令されたため、オンライン形式に変更して開催されました。テーマは「原理原則を貫く~基本の徹底~」。
初日は塾生による課題発表「私の人材育成方針と実践」からスタート。各発表に対して、松村アドバイザーから、自身の経験を踏まえたコメントがありました。続いて「経営と商売の基本 原則編」というテーマで、弊社PHP理念経営研究センター首席研究員で当塾講師の川上恒雄による講義が行なわれ、松下が力を入れた自主責任経営や衆知を集めた全員経営などを学びました。
二日目の午前は、渡邊祐介主幹講師が、川上とともに、前日の続編である「経営と商売の基本 実践編」の講義を行ないました。
午後は、香川県に本社を置く徳武産業の会長の十河孝男氏による特別講話「感動のオンリーワン企業を目指して」。今や介護シューズの市場シェア五〇パーセント超えを誇る同社も、そこに至るまでの道程は苦闘の連続であったことが示されました。
例えば、五〇〇人を対象にした市場調査を実施したところ、高齢者が転倒しやすい理由の一つに、足の左右のサイズが異なるため大きめの靴を履いている人が多いことがあるのを認識した十河会長は、片足ずつサイズを選べる靴の販売を目指すも、前例がないことやコスト面などでの困難に直面したといいます。それでも難題を一つずつクリアし、実現化したその強い使命感に、塾生はおおいに感銘を受けました。
また、二万通を超える顧客からのお礼状やメッセージの中から感動のエピソードが紹介され、事業を工夫すれば人々を救う大きな力になるのだと、改めて認識させられた講話でした。
最後に、松村アドバイザーが総括。塾生同士、直接顔を合わせることができなかったものの、充実した二日間となりました。