「松下幸之助経営塾」は、経営者を対象にした松下幸之助の経営哲学を学ぶための公開セミナーです。2021年8月に開催された同塾の研修風景の一端をご紹介します。
【塾生通信 日に新た】松下幸之助経営塾 第22期 第3回
人を育てるには
八月二十日、二十一日、第二十二期の第三回が、会場のある京都府に緊急事態宣言が発令されたため、オンライン形式で開催。それに伴い、テーマが本来ならば第四回の「人を育てる~事業は人なり~」に変更されました。
一日目はまず、塾生の課題発表「私の人材育成方針と実践」。パナソニックロジスティクス元社長で当塾アドバイザーの松村二郎氏から、塾生一人ひとりに対して、実践的で丁寧なコメントがありました。
続いて、弊社・理念経営研究センター首席研究員で当塾講師の川上恒雄による講義「人の育て方・活かし方」。松下幸之助が重んじた人材育成に関する基本的な考え方を学びました。その中で、松下が部下の提案や意見をすぐに否定せず、肯定的に聴く経営者であったというエピソードが紹介されました。
二日目は、弊社・人材開発企画部長で当塾ファシリテーターの的場正晃によるコーチングの基本に関する実践指導「やる気と主体性を引き出す『傾聴』」からスタート。次いで、弊社・理念経営研究センター代表で当塾主幹講師の渡邊祐介が「人財育成の現場を考える」というテーマで講義を行ない、人を大切にする現代企業の事例を通して、塾生とともに育成のあり方を考えました。
午後はまず、松下電器産業元社長でパナソニック客員の谷井昭雄氏による特別講話「松下創業者に学ぶ経営のこころ」。かつてビデオレコーダーの規格をめぐり、松下幸之助がベータマックスではなくVHSを採用した際のエピソードを紹介しつつ、経営トップにとっての決断の重要性を強調しました。さらに現在のような有事の際は、①心だけは攻める姿勢を堅持する、②経営判断の優先順位を考える、③現場を激励する――などの大切さを説きました。
最後に、人材育成に関するグループ討議で、塾生は「傾聴」の重要性を改めて認識。充実した二日間となりました。