PHP友の会事務局は、昭和55(1980)年3月24日から「80日間日本一周PHP友の会ラリー」を実施しました。これは、自動車で全国を回り、各地域のPHP友の会会員と交流を深めるイベントでした。

 当時の『PHP』誌には、「この催しは『素直な心になりましょう』をスローガンにご家族や若い方がたからお年寄りまで、みんなで『素直な心』について考え語りあい、その輪を広げる運動です」と説明されています(※1)。写真のようなマスコットマークも作成されました。


 出発式は松下電器本社玄関前で約15分間行なわれ、松下幸之助の他、山下俊彦・松下電器社長(当時)も出席しました(写真)。トヨタ自動車から提供されたラリー専用車で全国をめぐるPHP友の会事務局の2名の担当者に対して、幸之助は「スムーズに成果が挙がってくるだろうと思いますから、体に気をつけて、そして全国の友の会の方々に無理強いをせんように」とはなむけの言葉を贈っています(録音№1810)。

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出発式で挨拶をする幸之助(右)


 それから同年6月11日までの80日間で、北は北海道旭川市、南は沖縄県那覇市にいたる全国各地の計61会場において、「素直な心」に関する講話、スライド上映、チャリティーバザーなどが行なわれ、参加者は約4,000名にのぼりました(※2)。


 この頃の友の会の助成物として、「友の会バッジ」「すなおバッジ」「ラリー記念Tシャツ」「定期入れ」のほか、会員に推奨したい歌が収録された「友の会カセットテープ」などが記録に残っています(※3)。



1)「PHP友の会通信」『PHP』誌、昭和55年3月号、109頁。


2)同上、昭和55年8月号、107頁。


3)昭和55年『PHP研究所所誌』8月11~12頁。