昭和42(1967)年11月15日、PHP研究所のビルは、竣工を迎えました。アルバム『PHP研究所新築工事修祓式』が残っており、式の詳細を知ることができます。

 

 式の正式名称は「PHP研究所新築工事修祓式」とされ、新社屋5階ホールで午前10時から約40分間執り行なわれました。各方面に送付された「ご案内」は、「一部を残し一応完成の運び」となったので、「業務開始に先立ち」修祓式を行なうとしています。

 

 出席者は「土地に対する礼」のときとほとんど同じであり、松下幸之助は体調不良が続いていて欠席でした。式次第は以下のとおりです。

 

「PHP研究所新築工事修祓式」式次第

修祓式

 

「土地に対する礼」と同様に神主などの宗教者は呼ばず、PHP研究所独自の方法で竣工を祝いました。

 

 所員が読み上げた「PHP研究所新築の意義とその建物にたいする礼」は、「ここに用いられました土地ならびに多くの資材、数かずの備品類は、それぞれにその持ち味を生かして組み合わされ、相共にPHP研究所の尊い使命達成のために待機している」としています。「私どもはそれら一つ一つの役割を正しく認識し、これらを有意義にまた大切に使わせていただき、PHPの使命達成のため真剣に力をつくさねばならない」と説きました。「PHP研究所新築にたいする感謝とよろこびのことば」は、より短い文章で、「感謝と喜びの誠」を捧げるとしています。

 

「施工ご関係者へのお礼のことば」として贈られた「感謝状」は幸之助の名で書かれています。これは竹中工務店、丸富工務店、川崎造園にそれぞれ1通ずつ、所員から手渡されました。

 

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 以上三つの文章は共通して、新社屋が所員の「道場」であると主張していました。
 PHP研究所は、この昭和42(1967)年11月15日をもって京都東山山麓・南禅寺に隣接する真々庵から京都駅八条口に拠点を移し、平成11(1999)年5月にビルの建て替えを経て、今日に至っています。

 

京都駅

 屋上から京都駅を撮影(昭和42年11月15日)