Q128:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?
昭和初期、幸之助は新たにラジオの開発に着手することを決断しました。どのようなラジオをつくりたかったのでしょうか?
(1)従来品の半額のもの
(2)故障絶無に近いもの
(3)スマートなデザインのもの
解答&解説コラム
(2)が正解です。ラジオが普及し始めたばかりで、まだ故障の多かった昭和初期のこと。幸之助は、松下電器でもラジオの販売を手がけることにします。当時、松下にラジオの技術がなかったため、実績のあるラジオメーカーと提携して製造を委託し、売り出したのですが、不良、返品が続出。専門店ではテストをして多少の故障は直してから販売するのに対し、松下の販売網である一般の電気店は、ラジオの知識、技術に乏しく、すぐに不良品と判断してしまったことが原因でした。
根本的な設計変更を求める幸之助に、メーカーの責任者は「ラジオは故障するのが当たり前で、専門店で売るほうがよい」と言うばかり。しかし幸之助は次のように考えました。
「ラジオは故障するものという固定観念にとらわれているかぎり、よいラジオはつくれない。腕時計のような小さくて複雑な機械でも正確に動いている。完全無欠なラジオは、工夫次第で必ずつくれるという確信を持つことが大事だ」
幸之助は松下電器独自でラジオの開発に取り組むことを決意。メーカーとの提携を解消すると、研究部に故障絶無のラジオをつくるよう命じたのです。3カ月に及ぶ技術者たちの懸命な努力の結果、ついに理想のラジオが完成したのでした。