Q24:幸之助による松下政経塾生への最初の3つの要望。その2つ目の○○に当てはまるのは?

「○○を使いこなす」

 (1)お金

 (2)人間

 (3)知識

矢印(下).png

解答&解説コラム

 (3)の「知識」が正解です。松下政経塾の開塾にあたって、幸之助が塾生たちに求めた3つのこと。その2つ目が「知識を使いこなす」でした。開塾式の翌日、1980年4月2日、幸之助は塾生にこんな風に語りかけています。「知識の主人公になって、知識を縦横無尽に使いこなさなければいけない。皆さんは、今は知識それ自身が主人やと、知識それ自身が偉いというふうに考えている。ぼくは知識がないから、そんなふうに考えへん。楽な話や。皆さんは知識がいっぱい詰まっているから頭が重いんや。いや、ほんとうに」。


 塾に集う若者たちがいずれも高学歴エリートであることが幸之助の頭の中にあった。だからこそ、このような要望をしたのではないでしょうか。彼らインテリが蓄えてきた知識は、あくまで“道具”である。道具は“使う人”次第である。「弁慶の七つ道具」の喩えがあるように、どんなに優れた武器も、使いこなせる人の手元にあってはじめてその機能を果たすことができる。そのことをよく心得て、知識を使いこなす、社会に有為な人材になってほしいと願ったのです。


 知識について、幸之助は『思うまま』という自著でこう説いています。「“インテリの弱さ”ということばもあって、世間にはいわゆるインテリの人は、いろいろ知識があるために、それが妨げとなり、かえって物事を成し遂げられないという考え方もあるようだ。しかし、実際にはやはり知識があるためにいろいろなことができるという場合のほうが多いと思う。ただ、その知識にとらわれて“あれはむずかしい、これはできない”といった考えに陥ってしまうと、事がスムーズに運びにくくなる。そういうとらわれをなくして、できることから一つひとつやってゆくならば、むしろ“インテリの強さ”とでもいえるような姿になるのではないだろうか」と。