Q6:この幸之助の言葉の○○に当てはまるのは?

「社長は方向指示器つき○○○○業」

 (1)お茶くみ

 (2)人材育成

 (3)叱咤激励

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解答&解説コラム

 (1)の「お茶くみ」が正解です。経営者の責務は、何といっても「初めに言葉ありき」であり、経営理念をよりどころに基本方針を固め、計画目標を掲げることにあるはずです。ところが幸之助はそのいわば「方向指示器」の役割を果たすとともに、「お茶くみ」業をつとめるべきだと説いたのです。


 幸之助は社員一人ひとりが自主的に、みずからの責任を自覚して取り組む自主責任経営を重んじ、それぞれが「社員稼業」の心意気で仕事にあたることを要望しました。そして自身が大切にしていたのは、社員を使うというより、社員に仕事をしてもらうという心持ちでした。かたちの上では指示、命令しても、心の内には「お願いします、頼みます」という思いをもつ。そうでなくては、社長業はつとまらない。またそうした心持ちがあれば、社員がしっかりと任務を果たしてくれたとき、「ありがとう。ごくろうさん。まあお茶でも一杯どうぞ」となる。実際に口にせずとも、その心根は自然に滲み出て、社員に通じるはずだというのです。


 「初めに言葉ありき」であるとともに、「常に感謝の心ありき」でなければならない――。社長だけでなく、あらゆるリーダーに求められる要件といえるのではないでしょうか。