Q7:この幸之助の言葉の○○に当てはまるのは?

「日に○転」

 (1)逆

 (2)三

 (3)百

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解答&解説コラム

 (3)の「百」が正解です。古くからいわれる「君子は日に三転す」という言葉に幸之助の創意が加わって、この表現が生まれました。はるか遠い昔の中国の賢人は、君子は一日に三転する必要があると説いている。それならば、いまを生きる君子(リーダー)は三転では間に合わない。日に百転でもしなければ、この目まぐるしい情勢の変化のなかで正しい判断などできないというのです。


 ところが、日本の行く末を決める国会の進行は、いまだ十年一日の様相ではないか。君子の集まりでなければならないはずの場がこんなことではいけない――。そういった国政への危機感を次第に募らせるなかで、幸之助はPHP研究所の活動を通じて積極的に国家への提言をおこない、さらには松下政経塾設立によって日本の未来を担うリーダー養成に力を傾注するようになりました。


 ところで当の幸之助はどうだったのでしょうか。業績拡大とともに、常に組織・体制を望ましい姿に変革するよう心がけていた社長時代のこと。「社長の考えは毎日変わる。組織をそう変えてもらっては仕事にならない」と社員から「お叱りを蒙った」ことがあったそうです。そこで幸之助は、こんな切り返しをしています。「朝言ったことが夕方にはすでに旧式になっている。それは変更ではなく、進歩なのだ」。「日に百転」とはいかないまでも、社員が追いついていくのに大変なほど「日に新た」の姿勢を示し続けた経営者であったといえるでしょう。