松下幸之助用語
死もまた生成発展
用語解説
松下幸之助は、「新しい人間観の提唱」の冒頭で、
「宇宙に存在するすべてのものは、つねに生成し、たえず発展する。万物は日に新たであり、生成発展は自然の理法である」
と述べている。こうした宇宙観をもつ松下幸之助は、人間が生きていくことはもちろん発展の姿だが、人間が死ぬこともまた生成発展の一つの姿であるととらえていた。
つまり、人間が死を恐れ忌みきらうのは人情としては無理のないことだけれども、生成発展の原理にめざめれば、死は恐れるべきことでも、悲しむべきことでも、つらいことでもなく、生成発展の一過程にすぎず、また万物が成長する一つの姿であることがわかってくる。死も厳粛な喜びとなる、と達観していたのである。