松下幸之助用語
好況よし、不況さらによし
用語解説
好況はよいが、不景気は困る。これが多くの経営者の正直な感懐だろう。しかし、松下幸之助の景気観は違う。「好景気のときは、駆け足をしているようなものだ。一方、不景気はゆるゆる歩いているようなものだ。駆け足のときは他に目が移らないから、欠陥があっても目につかないが、ゆるゆる歩いているときは前後左右に目が移るから欠陥に目がつき、修復訂正ができる」という。
つまり、景気が悪く商品が売れないときは、それまで手が回らなかったアフターサービスを徹底する、社員教育に力を注ぐなど、不景気なりに利点がある。世の中が不景気で停滞しているときに、こうした努力をすれば、「不景気こそ千載一遇のチャンス」にもなるというわけだ。