松下幸之助用語

ガラス張り経営

 

用語解説

 とかく個人経営の場合、“会社のものは自分のもの”というような発想に立つ場合が多いようだ。しかし、松下幸之助の場合、従業員十人程度のごく初期から、会社の会計と個人の会計を別にしていた。しかも毎月の会社の決算を、従業員から末端の“小僧さん”にいたるまで、全員の前に公開していたという。
 後年、「そうすると、店員はみんな非常に明るい感じをもつようになった。そこに一つの喜びというか働き甲斐を感じてくれたのである」と述懐している。つまり、会計公開が従業員に働く張り合いを与えたのである。その喜びが後の発展に結びついたことはいうまでもない。「ガラス張り」の経営が事業発展の一つの秘訣というわけだ。