私は、人間というものがえらいものやと思うのは、自分の発想で神様というものを創造するわけですな。その創造した神さんに手を合わして拝んでいる。それで知恵を授かる。知恵を授かって自分が成長する。成長した知恵をもって、より高き神さんをつくる。そしてそのより高き神さんをまた手を合わして拝む、そして自分も成長させる。そういうようにして、だんだん内容の充実した円満具足の神さんを、われわれは今創造しつつあるわけですわ。そういうことができるのが人間である。自由自在に神をつくっているのが人間ですわ。だから私は“人間は万物の王者や”ということを本に書いたんです。
『松下幸之助発言集4』(1977)